2007年9月24日 (月)

古典的暗号

 昔古典的な暗号に興味を持っていた時期がある。私の出身学部は工学部であったが、実は理学部数学科へ本当は行きたかったという事情があるため、本能的に、暗号の持つ数学的性質に惹きつけられたのだろうと思っている。

▼暗号、この場合は現代の暗号ではなく古典暗号を言うのだが、数学的性質を持つものと、社会科学的側面を持つものがある。確率統計学が暗号の解読においては、その力を発揮するが、暗号のからくり、つまりアルゴリズムを作成するに当たっては、整数論が役に立つ。

▼現代暗号においてもそのことは言えるのではないかと思うが、その方面については詳しくないので述べない。特に公開鍵暗号において然りだろうと思っている。

▼2次大戦以前の暗号については、まともな文献がほとんど無かった。そこに現れたのが、カーンの『The Code Breakers』であった。公開鍵暗号、すなわち辻重男教授の言われるポストモダーン暗号以前の暗号を集大成したような本であった。分厚い洋書だから相当な読み応えがあったと記憶している。

▼その後暗号の邦書は数限りなく出版されてはいるが、本格的なもの、つまり学問に偏るということではなく、また際物でもない、暗号の本質を鋭く突くといったものは全く見わたらないと言ってよいであろう。

▼そんな中で私が評価するのは、長田順行氏の『暗号』である。この書が出版された当時には、未だ公開鍵暗号は出てなく、したがってその記述は無いのであるが、社会科学・あるいは文学・あるいは哲学としてとらえた暗号に関する傑作書であると私は考えている。

▼そんなことどもを思い出しつつ、趣味に任せて収集してきた、古典的暗号の書籍の中から、何か面白いというか、考えさせるものがあれば、書いてみたいと思っているが、なかなか捗らない事は必至であるから、期待はできぬ。

▼後記:検索したら、2次大戦に米軍の野戦暗号機として活躍した、M-209の写真が出てきたので、借用して掲載した。お許しを請うところである(http://www.geocities.jp/kyo_oomiya/newpage18.html。これはクリプト社が製作したクリプトテクニック暗号機を改良して強度を増したものであり、野戦暗号機としては水洗いも出来る傑作機であろう。戦後まもなくのアメ横に進駐軍の兵士が売却したと思われるM-209が出ていたという話を聞いたことがある。

M2091

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